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2014.07.25 Friday  | - | - | 

三月大歌舞伎『義経千本桜』 ”道行”幕見&夜の部

[ 伝統 ]


観劇日:3月26日&11日(木の実〜すし屋のみ)


夜の部でも、開場前に鳴り物が入るのですね。知らなかった。



『木の実・小金吾討死』


幕開き、舞台中央で話しているお二人より下手で一人遊びをしている柿本明久くん倅善太郎に目が行ってしまいます。地面になにやら落書きをしている様子。商売をしながら、お手本を書いてあげる秀太郎さん小せんがなんとも、”働く母親”らしくて温かかった。





扇雀さん小金吾東蔵さん若葉の内侍澪夏ちゃん六代君の登場は、花道・鳥屋が見える席にして本当に幸せを感じる瞬間でした。床几に腰掛ける澪夏ちゃん、ずいぶん背が伸びた? と思っていたら、ほとんど立ったままでの演技をされているのですね。退場しようと立ち上がった時に初めて気付きました。後から登場する仁左衛門さん権太が子ども(六代君)好きそうな本当にいい奴に見えて、もちろんそれが旅人一行を油断させるためとわかってはいるのに騙されてしまいそうでした・・・実際、小金吾が荷物のすり替えに気付くまでストーリーを失念していたほどで。。。そうそう、石礫をあてて椎の実が落ちる仕掛けは、枝に付いた蓋がパカっと外れるもの。きれいにはじけていました。11日にはここからだったため、茶店が小せんの物とは知らずにしばらくいました。それにしても、どう贔屓目に見ても小金吾より権太の方が肝っ玉も腕っぷしも強そうなのに、「武士をこけにして・・・」と憤る小金吾に、あらためて身分差の難しさを感じました。





小せん善太郎が戻り、温かいホームドラマのようなひと場面です。権太が発する言葉の汚さが何だかしっくりこない。そしてその言葉で「お前(小せん)を請け出すために悪事をはたらきどうのこうの・・・」と話し続けるものだからくすぐったくなってくる。言い訳なんだか惚気なんだかわからないようなこの台詞を、きっといつも聞かされているはずの小せんでも、恥ずかしくなってくるだろうな・・・そんな空気が秀太郎さんから立ち上がっているように感じた。ところで、ここでは善太郎は小さな入れ物で遊んでいますね。笛と一緒に、これも買ってもらったのかな?


倅の可愛さにコロっと参ってしまう権太ですが、少しでも威厳を見せようとしているような? 11日には善太郎は無邪気で、権太はメロメロで、という感じが声からだけでも伝わったのですが、楽はちょっと硬かったのかな?花道での権太小せんに仕掛ける悪戯が見たくて一階席を取ったようなものです。秀太郎さんの声と、くるっと後ろを向いてしゃがみこむ仕草が自然で、その動きにつれて周りの土や雑草が舞い上がるのが見えるようでした。





舞台はあっという間に替わって竹林の中での立ち回りとなります。竹が折れたりしなったり切れたり、と手の込んだ仕掛けです。一回目に観た時にはそれを知らず、小金吾がぶつかって斜めになった竹を見てハラハラしていました。縄を使った立ち回りも何度目かのはずなのですが、縄を順番に投げるのではなく人が縄の下をくぐって組んでいくのを見るのは初めてだったかもしれません。個人的にとっても好き、というか耳について離れないのが、扇雀さんの立ち回りをはさんだ「わ・か・ぎ・み・さ・ま・・・いの〜。」という声。高くて細くて、妙に色っぽかった。若さが足りない、という感想もちらほら読みました。11日には素人目に過ぎませんが落ち着きすぎて色気がないかな、などと感じていました。が、楽では本当に、ほとばしる血飛沫が見えるような、”生きている”と感じさせる、生命力あふれる若衆だったと思います。


居合、というのでしょうか。立ち回りの節々で芯となる人がハッと息を吐くのが見えたり聞こえたりします。テンポと、呼吸と、そんなものが役者さんたちの中でひとつになって、いつしか客席まで呼吸がひとつになっていくようです。


最後の一場、普通のお爺さんのように登場する左團次さん弥左衛門が、ふとした瞬間からなりを変え、キリっとして幕切れで刀を振り上げる。その張り詰めていく空気は、なんともいえず清いものでした。そういえば、首を落とす掛け声は聞こえなかったような・・・?





2007.03.31 Saturday 18:31 | comments(0) | trackbacks(0) | 

『義経千本桜』 道行&夜の部

[ 伝統 ]


楽しくて、幸せで、贅沢な舞台でした。加えて、客席もかなり豪華でした。


興奮冷めやらぬまま、おやすみなさい・・・。




2007.03.26 Monday 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) | 

やったぁ、吉野川!

[ 伝統 ]


六月のチラシができていたので、戴いてきました。昼の部第一演目が、妹背山より久我之助と雛鳥の二場。





一番、観たかった演目に、通い始めてたった一年、しかもちょうど一年目に出会えるなんて!


しかも、定高は藤十郎さん、恋人達は梅玉さんと魁春さんの兄妹じゃなかった、御兄弟です。





これは、四五月がまんで働くしかないですね♪




2007.03.26 Monday 15:45 | comments(0) | trackbacks(0) | 

森八さん

[ 伝統 ]


いとしき御名は・・・森八っつあん・・・ではなくて。


加賀にある和菓子の老舗です。以前、こちらの記事にも書きましたが、ワタクシ、ここのお菓子が持つ上品な甘さの虜になっております。





本店は金沢市尾張町の泉鏡花記念館裏手にあるとの事で、この春休みを利用して訪れてみよう、と楽しみにしていたのです。ところが、ところが。


インターネットで宿を予約しようとした矢先に飛び込んできた、能登半島沖での地震のニュース。観光コースにはお寺など古い建造物を多く入れていたので、残念だけれど旅行は見送りとしました。





旅行が中止になってしまったのも残念だけれど、心配なのは森八さんの本店。お店は大丈夫なのでしょうか。女将さんを始め、従業員の方たちは怪我などされなかったのでしょうか。製造は問題ないのでしょうか。原料は入ってくるのでしょうか。


今朝、都内の支店を通りかかったのでよっぽどお見舞い申し上げたいと思いました。でも、もしかしたら支店の従業員さんではなくデパートから入る応援の方に当たってしまうかもしれないな、と思い行動には移せませんでした。





被害を受けた方々、早く普段の生活を始められるよう、お祈りしています。




2007.03.26 Monday 13:06 | comments(0) | trackbacks(0) | 

未来の大リーガー!?

[ 子ども ]


電車の窓から景色を眺めていたら、野球帽を被った小さな少年が目に入った。家の前の路地で、相手は弟か、友達だろうか。日差しにも、花粉にも負けず(笑)がんばれ!




2007.03.26 Monday 11:48 | comments(0) | trackbacks(0) | 

国立劇場 3月歌舞伎公演『初瀬/豊寿丸 蓮絲恋慕曼荼羅』

[ 伝統 ]


待ち遠しかったこの3月、この舞台も、今日が千秋楽(漢字は、ごめんなさい)となりました。今頃は、楽屋の片づけが行われているのでしょうか。


観劇日:3月11日(日)・3月18日(日)


11日は一人で、18日はあまり舞台を見慣れていない友人達と。心がゆ〜ったりとするような、日が過ごせました。



第一場





幕開きは、場内が暗くなるのと共にぽつり、ぽつりと語りだすような、もしくは足音を立てるような琴の音で。下座音楽は使わないと聞いていたのであれ、と思いましたが、頭上から音が聞こえてくるので納得しました。


ふらふらとさまよう人々(乞食たち)、なんだか『羅生門』の世界だな、と思ってみたり。


二度目の観劇では、この時点で喜昇さんをはっきり見つけ出すことができてしまいました^^体形か・・・演技か・・・


名もない”人々”の中から浮き上がってくる"個人"が、段治郎さん豊寿丸。足取りがゆっくりで、一瞬、美しい鬼のようだな、と感じました。このさりげない登場の仕方、オペラを思い出して少し懐かしくなりました。


11日にはここで拍手があったのですが、18日には完全にしーんとしていました。その代わり(?)第一場の切でぱらぱらと起こっていました。





笑三郎さん乳母に伴われ、というより引っ張られ、と言った方がしっくり来るでしょうか、玉三郎さん初瀬姫の登場です。どこか幼く見える、お姫様です。


11日、上手側の席ではわかりにくかったのですが、18日、中央に近い席からは色彩がとても良く目に映りました。ここでの月絹の袖から覗く抹茶色と山吹色の重ねが映えて美しいこと!


屋内に場面が移るきっかけは、お二人とも舞台奥へ向かい、侍女が旅装を解くという簡単なものでした。ふと、打ち掛けの裾をあげるのは大変なんだよな〜、と思い出したりしていました。何もない舞台の中央に、ただ二人だけが坐って語り合う、なんだか、野原の真ん中のようで落ち着かない気持ちになってしまいました。





ここへ再び豊寿丸が登場します。衣装が4種類ほどあったように記憶していますが、この場面が一番鮮やかで美しかった、と私は思っています。青っぽい狩衣から鮮やかな橙が覗くもの、だったかな。どうにか初瀬と二人きりになりたい豊寿丸の強引さは、なぜか少しも不快に感じないのです。むしろ月絹を見て、きっぱりしていて、意志が強くて、責任感と愛情にあふれた乳母でも主の御曹司(弟)には逆らえないのだな、という歯がゆさを感じてみたり。ここで力づくでも思いを遂げようとする弟君なのですが・・・。この場面だけはどうにも、冷静に観てはいられませんでした。もう、こっぱずかしいの一語。


これまでに観た舞台、特に歌舞伎でも濡れ場はあったわけだけれど、そこに義太夫だとか音楽だとか大道具があったから”見せ場”のひとつとして見ていられたのだと思いました。二度目にはこの点、かなり冷静でいられました。覚悟していた、という理由もあるけれど、一番大きかったのは演技が練られていた点です。捨て台詞に叫び声だけでなく言葉が入っていたこと、いったん下手に隠れて豊寿丸の冠を落とす時でも初瀬が舞台正面に向って演技をしていたこと。そうでなければ、あの舞台袖でいったい何が起こっているの!? と心配でたまらなくなってしまいますから。





右近さんお母様、素敵です! 折檻の場面では気持ちが良いほど扇が鳴り響いていたのですが、最初の数回は本当に叩いていたわけでは・・・ないでしょうか? 18日には髪の毛を掴む時の表情など、間違いなくエスカレート。息も荒くなって、さぞ舞台近くにいたお客さんは恐ろしかったのではないかと思います。


門之助さんお父様の前で「カーッ」と泣いて見せるのも、笑ってはいけないと思いながら・・・だって、どうしても「ガーッ」と聞こえるのですから。始めは、そういう役として演じていらっしゃるのかと思っていましたが、後で明かされる事実によると、ここは本当に泣きまねをしているのでしょうね、きっと。





それにしても、月絹乳母のなんて優しい表情なんでしょう! 憔悴して泣いている初瀬の背中を撫でるのなど、演技には本当に見えないのですから。だからこそ、初瀬が不義を認めた時の動揺は誰よりも、豊寿丸よりも、大きいものに見えました。もちろん、それが事実ではないと知っていても。




第二場


桜が満開の山道で、猿弥さん嘉籐太が先導する木の輿と長持ちが進んで来ます。これ、きっと粗末な輿なのだろうな。従う月絹が不審を訴えるのに、嘉籐太いきなり剣を突き立てるように見えたのは、勘違いでした。二度目の際に借りたイヤホンガイドによると、当て身を食らわせて気絶させたのだそう。本当に殺したのだと思い込んでいたから、「ああ、もう笑三郎さんの出番はお終い?」と残念に思ったり、初瀬が「月絹には手をかけてたもるな。」と嘉籐太を諭すのにハラハラしたり。後ろを向いた玉三郎さん初瀬の整った美しさ。





2007.03.25 Sunday 17:04 | comments(0) | trackbacks(0) | 

三月大歌舞伎 通し狂言『義経千本桜』昼の部

[ 伝統 ]


『鳥居前』


本日はちょっと遅刻。客席へ上がって行くと、紅白の梅が咲き乱れる中で静御前が泣き崩れていました。一目見て、福助さん静御前と梅玉さん義経だとわかる。なんだろう、お二人とも、役である前に役者さんそのものなのだ、いつも。


遠見の景色が本当にのどかで、美しい。畑があって人が住んでいて、その信仰の中心として神社(お稲荷さん)がある。


強そうな、菊五郎さん忠信。手のひらにまで赤い隈取があって、少し驚いた。狐六法での引っ込み、例によって三階席から花道を観ることはできない。けれど、定式幕に映る影が本当にバランスが良く、またテンポもとても良く、理屈抜きに「すばらしいな。」と思った。


あっという間の序幕・・・約30分だからね。。。





『渡海屋』


女房たち、さすがベテランの女形さん達だけあって声にハリと味があるのにまず嬉しくなる。


お安こと安徳帝は原口智照くん、女の子(一応)の役だけれど、そしてまだ初日開けて間もないのだけれど、ほんの少しピッチが低めの声で彼だとわかった。千秋楽まで、どうかがんばって欲しい。それにしても、七月の『山吹』で「なむだいし、へんじょうこんごう〜。」と唱えていた時には舞台に上がっているのが心配なほど小さかったのに、11月の千松と言い、この後の場面と言い、いくつも役をこなして子役らしくなっているのではないでしょうか(と、偉そうな事を。ごめんなさい)。


藤十郎さんお柳が奥より登場。拍手のタイミングと、大向こうと。いくつもの”歓迎”がぴったりと重なり、嬉しくなる。当たり前と言えばそれまでだけれど、息を詰めて役者の出を待つ、タイミングを計る、そして拍手、といった舞台と客席の空気の流れみたいなものを感じられる時、なんとも言えず気持ちがいいのだ。


いつもながら武士役の高麗蔵さんはなんだかな・・・不思議なお顔とお声になってしまうのだ。


惟盛を演じられていた今日の幸四郎さんは、聞き取りやすかった。そういう役なのかな? むしろ、藤十郎さんの方が聞こえなくなることもあったのだが、こちらは特徴あるお声なので耳(と目)が勝手にお柳の方を向いてしまう。


お柳の物語り、と言うよりアレはのろけと呼ぶべきなのでしょうか。声の使い分けがとても素敵だった。もう少し続けば、うっとりとできたのにな。。。





『大物浦』


少し前まで、”おおものうら”と読んでいた私・・・それはともかくとして。


前の場面ではあまり心に入ってこなかった藤十郎さん典侍局だが、ここで乳母としての姿を見せ始めてからはぐんぐん惹き込まれてしまった。まず、赤い長袴が階段に映えた見得はもちろん、安徳帝を抱きかかえて建物から降りてくる場面。かなり危なっかしくて後見さんにすがりつくような形にも見えてしまうのだけれど、女性らしい必死さが見える。それから、伊勢神宮に手を合わせる安徳帝を見守る表情。ここは結構な為所なのでは? と密かに思っているのだが、イヤホンガイドの解説によれば「命を奪う決心も揺らいでしまいそうな」場面だとのこと。可愛くて可愛くて仕方がない、そんな表情です。


本当に、ここの智照くん安徳帝は可愛らしい中にも品のある立ち姿をしている。子役さんは、ともすれば誰でもできるような印象を持ってしまうけれどやはり、繰り返し舞台に立つということは何か特別なものを持っているのかもしれない。





『道行初音旅』


楽しみにしていた、芝翫さんの踊り、静御前。花道での最初の見せ場は全くと言っていいほど見えないのに、白い袖から発される光が見えるような気がした。


可愛らしい、可愛らしい静。本当はこの幕、可愛らしさより色気が出るらしいのだが、想像していたより動きが幼い(若いのを通り越して)のにもう、頬が緩んでしまった。まあ、前回が『熊谷陣屋』の相模だから・・・。


なぜか、菊五郎さん忠信が梅玉さんに見えて仕方がなかった。なんでだろう? あの、若衆姿のイメージだからか? 熱を持ったような目の辺りが似てるんだよね。


そうそう、芝翫さんの後見は若手のお弟子さんだったが、引っ込む時の歩き方が美しくて目で追ってしまった。


じわりじわりと心に桜の花びらが積もってくるような、そんな温かい感動を得られた一幕。さすがは、大御所揃いだと思った。逸見籐太の仁左衛門さんも、もちろん好きだ。





ふと、今日の舞台を別の役者さんに当てはめて思い浮かべてみた。というのは、猿之助さん一門がこのお芝居をする時(通しか見取りかは記憶が定かでないのだが・・・)は静御前を『鳥居前』春猿さん、『道行』笑三郎さん、『四の切』笑也さんの配役でされるという話を読んだ事があるからだ。初めての『鳥居前』を観ていてなるほど、この感情的で可愛らしさにあふれた静は春猿さんのイメージだ、と思った。『道行』の清らかな中にも肉感的な色気を感じさせる静はやはり、笑三郎さんだし、清楚で気が強い『四の切』の静は笑也さんだ。なるほど、よく配役されていたのだな、と思うとともに、やはり観てみたかったという残念な気持ちにもなる。





夜の部はいつ観られるのでしょうか・・・。本当に、楽しみです。




2007.03.04 Sunday 18:13 | comments(0) | trackbacks(0) | 

今日の一言



久々です。


「タイトルを 通し狂言 時間切れ」




2007.03.04 Sunday 18:13 | comments(0) | trackbacks(0) | 
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