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2014.07.25 Friday  | - | - | 

初春大歌舞伎 夜の部 初日(その2)

[ 伝統 ]
夕食の幕間には芝翫さんへのインタビューがありました! 柔らかそうなイメージそのままに楽しいお話し振り、これはお得! と頬が緩んでしまいました(後でおまけの紙を読んだら、内容が全部書いてあったので少しがっかり・・・でしたが)。これから行かれる方、昼・夜の部共に流されるそうですので、お勧めですよ。

恥ずかしながら私ここで、初めて芝翫さんが次の『助六』に出ていらっしゃることを知ったのでした。う〜ん、何で見落としていたのだろう?
『助六』
大好きな吉原の物語、華やかで明るくて、悲しいことがあってもすかっとしていて。この演目、花魁達は出ずっぱりでしかも動かなくて、大変そう。重たい衣装で座りにくそうにしていらっしゃるのが時々見て取れました。五人とも、しっとりおっとりした雰囲気の女形さんたち。本当に、見飽きません。きれいです。

花魁道中、花道でのやり取りはほとんど見えません。それでも福助さん揚巻の纏っている空気が大きくて、一昨年秋の籠釣瓶の時より品はともかく、張りのある花魁になっていらしたと思うのです。そういう役柄なのかも知れないけれど・・・。禿ちゃんの片方は声がかなりはっきりしていたので、下田澪夏さんだったかな? 彼女だけ、四人の禿ちゃん達の中で簪が違うので顔がよく見えず。もう一人は年齢が低いのかな、ずいぶん辛そうでしたが、慣れていくといいな。「あ〜い〜。」の時に、四人揃って小首を傾げるのがかわいらしいラブラブ
左團次さん意休を相手に女性の揚巻が汚いことをポンポン言っても、「小気味がいい」の一言。周りの新造はちょこちょこと良く働き回って、それでも品のいい人達でした。

団十郎さん助六の登場。今更ですが明るい劇場の中で東側の提燈にまで明かりが灯るのに気付いてその豪華さにびっくり。助六が本舞台にかかるまでの数分がなんて長く感じられたことでしょう。花道と本舞台の境にかすかに映る影に胸を躍らせます(『先代萩』の引っ込みの時もそうだったなぁ)。ふっくらとして、口元もいつもどこか柔らかい団十郎さんだから、助六にもただのワルではなくて遊び心が感じられる、気がする。舞台全体にその存在感が広がるのではなくて、周りにいる役者を伝わって端の端まで知らしめている感じ。それなのに、後ろを向いて控えている時にはすっと消えてしまうのだから不思議です。
吸付け煙管を渡していく新造たち、なんだか素っ気なかったです、よ(笑)。渡した瞬間には先を向いてしまっている人もいて、花街のお仕事なんだな〜と感じてしまいました。
飲兵衛じゃなかった段四郎さん門兵衛と、煎餅ならぬ歌昇さん仙平、大好きです、こういう場面。それにしても、「まずは帯を締めなせえ。」って言われて引っ込むのって・・・。

梅玉さん白酒売新兵衛の出は、用心棒たちが花道を去っていくのに残された形・・・のようですが、どこから、いつ出ていらしたのだろう? この役には上方の形を残してあるとのことですが、本当に品が良くて(つい、「良うて」と音便にしたくなる)きれいな姿と声でした。お兄さんというより場面が場面ならお母さんか女房だとおもってしまいそうです。チラシの『猩々』の写真を見た時には声を上げてしまう美しさでしたが、この役もまっしろで美男子。団十郎さんとお二人で舞台に立たれると、なんか羨ましいような兄弟です(そういえば、曽我十郎五郎は三人兄弟だったのでしょうか? そう受け取れる台詞があったような・・・)。
喧嘩の場面はただ楽しみ、笑い、驚くのみでしたが、股潜りをする人達の体の柔らかさには感心。小さい頃読んだまんがでは、しゃがんで潜っていたのでその印象が強かったのです。そして、通人が地味な役のイメージが強い東蔵さんだったのもまた、大当たり。普段なら囲碁ことが悪くなってしまいそうな、今いちばん旬の(?)あのネタも、次から次へ繰り広げられる工夫の後には下駄で所作舞台を蹴り付ける音さえスカッとさせてくれます。イヤホン解説で「江戸の楽しみと流行がつまった演目」と聞いていたから、かもしれません。

母満江芝翫さん助六が間違えたとおり武士のようでもあるのだけれど、ちょっと後ろに反って女性らしく、気高く感じられる・・・のは女形の芸なのでしょうか? なんとなく、歌舞伎では女形の方がすっと姿勢を上に伸ばしているような印象があります。それはともかく、終始厳しい母です。息子たちとは一緒に住んでいるのかな? 毎日会っているのかな? この時代の生活って? と、いろいろ想像していました。
舞台で使う紙衣は本当の紙ではないのだそう。それでも、黒から薄い紫に着かえるだけでさらに遊び人らしくなった気もします。花道にかかり、そのまま勢いで引っ込みながら幕が閉まる、唐突でなんだか不思議な幕切れのお芝居でしたが、とにかくきれい! でした。


華やかな人、派手な人、可愛らしいお嬢さん、羽織のおじさん、、、私も少しはおしゃれしていったけれど、ここには”お正月”とか”初日”といったものを大切にする人達が集まっているんだな〜と思った時間でした。
2008.01.03 Thursday 22:04 | comments(2) | trackbacks(0) | 
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2014.07.25 Friday 22:04 | - | - | 
あやめ (2008/01/07 8:29 AM)
はるきさん、こんにちは。
今年もよろしくお願いいたします。

私はテレビの方は録画したのですが、まだ観ていません。正面からの舞台も、楽しみです。
6日、演舞場にいらっしゃいましたか! 私も、夜の部に行きました。微笑ましいような、不思議な舞台でした。
はるき (2008/01/04 4:23 PM)
あやめさん、あけましておめでとうございます。

早速歌舞伎座の初日に行かれたのですね。私は、NHKの中継を見て満足してしまいましたが(今月は、歌舞伎座には行かなさそうです…)、「助六」の楽しい雰囲気、よく伝わってきました。仰ぎ見るような存在感でありながら「男の子」そのものの團十郎さんの助六、梅玉さんの十郎のほわほわした雰囲気、素晴らしかったです。東蔵さんに色々言われ、必死に笑いを堪えるお姿も…!!

私の初芝居は6日の演舞場から始まります。今年もよろしくお願い致します。