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もうひとつの、大切な、私忙しくても、悩んでいても。無くしたくない、大切な、私。
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Radiogenicリーディング・スペクタクル『ミッシング・ピース』
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いつものことではありますが、「事実」と「感想」と「希望」の入り混じったものになっています。
また、例によって特に役者さんの名前が書いていないものは、春猿さんについての記述であること、ご承知置きください。 さらに。基礎情報・・・つまり出演者、ストーリーなどについては情報ページ、及び他の方のすばらしいブログをご覧になることをお勧めします。どうも、苦手なんですね・・・。 今回はなるべく筋を追った形で書いていますが、難しい。しかもこの感想は真夜中に、しかもポーランドの強いお酒が入った状態で書いたものでして、長いというか。。。(以下略) 服装 右近さん:正装、とでも表わしましょうか。白いシャツの襟を立てて、それからネクタイがないからかな、音楽家のイメージ。うん、かっこよかった 春猿さん:ブルーのブラウス(右ボタン!?)にカーキの長いコート(トレンチコートって言うのかな?)、下も同色に、卵色の編み上げの靴、こげ茶の長めのスカーフ。中間部ではコートなしで、シャツも白の左ボタンのものに変えていらしたように思いますが・・・。照明の加減で、本当はずっと白だった!? わざと少し崩したような髪形で、少年のようなイメージ。 段治郎さん:黒尽くめ+真っ赤なメタリックの靴。ああ、びっくりしたぁ〜。夢の中ではそれに、黒のラメ入りマントを手で押さえていらっしゃいました。シャツの上はベストのようでも、ジャケットを羽織っているようでも・・・とにかく、黒だったのでよくわかりませんでした。 古藤さん:白いシャツに薄い色合いのジャケット。靴は見忘れました・・・。真っ白なTシャツと厚い胸板のイメージだったので、なんとなく新鮮でした。 天使ちゃん達:真っ白な、バレリーナのような衣装に白いスパッツ。頭飾りの白い羽、かぶり方が微妙に違ったのが気になりましたが・・・。かわいかった!
息もつかせない、緊張感がはじめから終わりまで解けることのない、本物のミステリー。
物語の世界へと聴衆を誘うのはやはり、古藤さん。これまでと違い役があり、そして衣装もジャケットと、不思議な感じでした。声は同じなのに、あのぎらぎらするような雰囲気は発していらっしゃらなかった。それでも、劇場の空気が一気に夢の中へと動いていく。 う〜ん、“ロネン”って何語だろう・・・。“ヴァインフェルト”はドイツ語っぽいけど、彼はフランス人だから・・・。それはともかく、二人は運命で結ばれている、そしてそれは転生の意味をも隠していた、のかな? そうそう、“ロネン”のアクセントは”ネ”にあるのですね。ああ、どうしてもロネンとは言えないな、ヴァインフェルトの方が言いやすい。ヒロイン周子の恋人と言うよりはやはり、音大の先生のイメージなのかな。 なんだかとても意外に感じる春猿さんと超心理学者古藤さんのカラミ(もちろんことばの)は、けれど、物語の中でどこに位置するのかわからない。どこに位置しても良いような気がする。 そういえばこの物語は誰かの視点で進んでいるのだろうか? そういえばヴァインフェルトのはじめの台詞「初めて桜を見た人の・・・。」は長い、長い手紙の始まりのようにも思える。。。これはまた後で。 運命の方向転換役(と私は思う)、桧森龍也の登場は、客席中央の扉から。しかも、段治郎さんは前ブロックの中程で立ち止まり振り返るから、スピーカーで台詞が入るまで、前の方のお客さんは気付かないのだ。そして舞台に上り、一言も発さずに前半が終わる。いい体格をなさっているのだけれど、心なしか背を丸めていらっしゃるのが妖しい雰囲気を与える。土間から舞台を見上げた時、桧森と周子は運命の視線を交わすのかな、と思ったけれどむしろ顔を背けているようだった。今考えたら、この時点ではまだ運命の出会いをしていないから、だろうか。本当に二人が“出会う”のは、桧森の部屋で周子が演奏をした時なのかもしれない。 舞台で観たのは初めてだけれど、『美貌の青空』と同じ手法だな、というのはわかる。そして耳には悲劇を予感させるような音楽が聴こえているのに、大きく動く幕を見ながらなぜか私は冷静だった。幕を握っているのは右左どちらの手かな、とか春猿さんと右近さんは身長が違うのに動いている場所は同じだな、とか。そして、暗転の中退場される三人の順番とか。 後半の始まりも、宮本笑里さんの演奏から。劇中で「ジプシーのメロディー」と呼ばれるもの。う〜ん、好きだな〜、こういう曲。調は暗いのだけれど、何かが起こりそうで血が沸き立ってくる。 このあたりは暗転が多すぎて、しかもその度に照明が演奏者に向くから細切れの感があった。あれ、でも今考えると、ヴァイオリニスト宮本笑里さんは周子でもある。ということは、しつこいほどに流れていたあのテーマを、周子は時間のある限り弾き続けていたということなのかな? あと、『下町日和』の時に感じた段治郎さんの視線、演技ではなくて台詞を言う時の癖のようなものなのでしょうね。 ワルシャワで一年かかって、二人は隠されたメッセージの一部、“HIM”にたどり着く。 春猿さん、英語がきれいね。tellを「ティル」と発音していらしたのは気になったけど。 モスクワに移動、そしてまた一年。なんて壮大なんだ! 文書館を見つけ、資料を探す、慌てすぎるくらい興奮した周子や「ビンゴ!」と言い合う二人の様子が、唯一緊張から解放される瞬間。しかも、椅子から立ち上がり舞台の奥から光の道を一歩一歩進むのだが、肩を寄せ合い立つ姿の絵になること。あ、男性(段治郎さん)の方が背が高い、とくだらない意識をしてしまったりして。なにしろここから、一気にミステリーが加速するのだから。 〜Intermission〜 暗転と、チューニング パリの街、ヴァインフェルトから周子への、おそらく最後の手紙。そしてきっとこの手紙は、周子に読まれてはいない・・・もしかして、言葉ではなく音楽で伝えられたものなのかも。ここで天使たちが「長い手紙だったね。」と言うから、あれ、と思うのだ。この場面の長い長いモノローグを指しているのか、もしかして「初めて桜を・・・。」に始まるここまでの物語全てが手紙だったのか。 ふと、この姿は私にとっての周子のイメージと違うな、と思い始める。普通の音大生だった20代のはじめに運命の歯車が回り出し、その秘めていた情熱を表に出してきた女性。春猿さんの姿では大人っぽすぎる、もっと少女のような所があってもいいのではないか。考えながら、でもその悩みはすぐに晴れる。宮本笑里さんだ。彼女の姿のようなイメージ、かなり近い所まで来た。 双生児の天使の夢を見て、周子は「とてもいい匂いのする天使たち、ロネンから初めてミッシング・ピースのことを聞いたあの7月10日の空の匂い。あれからずいぶん遠くに来た気がする。」と呟く。目を瞑って座り込む姿が苦しそうだっただけに、さわやかな声に聞こえる。桧森の夢に出てきた天使たち、ここで”いい匂い”と聞いて、私はお花の匂いを想像した。けれど、そうではないのだね。う〜ん、ずっと入らなかった夏の屋根裏部屋の匂い、そんな空気を思い出す。 二度(楽は三度)のカーテンコールの間も、皆さんずっと役が入ったままだったのが印象的でした。 すごかったな〜、すごかった! 二度目にはストーリーも、謎も、次の演技もわかっているはずなのに、気が付くと息を止め、身を乗り出し、首をかしげ、服の裾を握り締めている。そして、帰り道にも「もし、あれがこうだったら・・・。」と考えている。本気の舞台ってこんなにも、、、心に何かを植えつけてしまうものなのだな。 最後におまけの疑問点 Comment
あやめ@管理人 (2007/08/18 9:55 PM)
はるきさま、こんばんは。コメントありがとうございます。
一つ一つを大切にしているように・・・感じてくださったのですか? せっかく出会った舞台を「楽しかった。」で終わらせたくない、何かを学びたい、そんな気持ちだけです。 短編をつなげた『優雅な秘密』や『美貌の青空』と違って、ひとつの物語だったからですかね、気が抜けませんでした。もちろん、役者さん達の心と気迫が並みのものではなかったのだとも思います。 生活費ね、確かに・・・。私は、音楽の勉強も気になりました。周子が達也に「将来を変えてまで追った夢」と言う場面があったので、達也はヴァイオリンで独り立ちする人生設計を変えてしまったわけで・・・。 もう一週間、そして、まだ一週間。
はるき (2007/08/15 10:29 PM)
こんばんは。私の方にもコメント、有難うございました。
あやめさんの御感想は、ひとつひとつの観劇をとても大切にしていらっしゃることが伝わってきます。 「ヴァイオリンちょっと貸して」は、確かに微妙でしたね;^^まあ、それだけ周子の気持ちが切迫していたということでしょうか?私としては、周子と龍也が生活費をどうやって工面していたのかもとても気になりますが、今まで拝見したリーディング・スペクタクルの中でも、劇的な展開と情念の表現という点では群を抜いていたと思いました。最後までほんっとに気が抜けなかった〜。 そして春猿さんは本当に綺麗だった…。 Trackback
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Radiogenic リーディング・スペクタクル 第7弾
『ミッシング・ピース』
於:ル テアトル銀座
出演 市川右近/市川春猿/市川段治郎/古藤芳治
音楽監督 塩入俊哉
ヴァイオリン 宮本笑里
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ヴァイオリニスト 瀧口周子/市川春
| お茶でいっぷくmemo | 2007/08/26 10:54 PM |
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あやめさんの記事はこと細やかで繊細で、今読んでも舞台が鮮やかに蘇ります。あやめさんの想いもとてもよくうかがえました。
私も2回観に行ったのですが、展開は分かっているのに、1回目はうるっときたのが、2回目に涙があふれてしまいました。「1回目の赤い布は春猿さんと右近さんが(あるいは段治郎さんが?)…」というのも、私も冷静にそう見てしまって、「う〜ん…」と思うところとかあったりするのですが、でも、舞台の創造がとても大きく目の前に迫るものでずっと見入ってしまいました。
カーテンコールは、ほんとに古藤さんと段治郎さんが手をつなぎそうでしたね〜!
私の、あまり良く理解していない記事ですが(龍也がメック夫人だったということがはっきりと分からなかったアホな私…)、TBさせてください。
またDVD出してほしいですね。